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SEO対策成功の秘訣を検索
(株)ストラップヤネクストは、ネット黎明期からアクセサリーのネット販売を開始。メーカーから卸に転業後、それまでの仕入れや販売のルートを活かして、商材をストラップに絞り込んだ。2000年以降、楽天市場やYahoo!ショッピング、ビッターズ、アマゾンなどアクセスが多いショッピングモールへ出店を拡大。ストラップ専門店としての地位を築いてきた。「いろいろな商品があったほうが面白い」と、数十円のストラップのパーツから数万円の高級素材を用いた商品まで約1万点を取り揃え、一部のサイトは毎日更新している。中心価格はたった数百円だが、アイテム数の増加に伴い、客単価も以前の1,700円から2,500円へと上昇しているという。
(株)文化放送は、2007年1月、(株)小学館と手を組み、落語音源の有料ダウンロード・サービス「落語の蔵」をスタートさせた。自社で放送した1950年代後半以降の音源をコンテンツとして見い出したのだ。平行して、新作のラインアップにも注力。自社ビル内に「浜松町かもめ亭」という寄席を設けたほか、提携している小学館と共催で「らくだ亭」という落語会を都心にて興行するなど、音源の安定供給のルートを確保している。この5月にはアフィリエイト・プログラムの展開を開始。その効果は高く、サイトへの月間アクセス数が、前月の2.5倍に急増した。ももともと固定ファンの多い“落語”だけに、共通の興味がある人のネット上の動線とこの戦略がマッチしたと言える。
ケンコーコム(株)は、7万点という膨大な品揃えを誇る健康メガショップをネット上で運営。同サイトへの来訪機会創出を強力に支える施策が、ケンブロ(トラックバックセンター)とアフィリエイト・プログラムの連携による徹底した検索エンジンマーケティングだ。品数の多さ自体がSEO対策上優位ということに加え、大量の商品にまつわる情報をサイトに盛り込むのは容易でないことから、商品ごとの情報の一部をブログで補っている。同社においては、アイテム数が膨大な数に上るにもかかわらず、商品ごとの売上高において80:20のパレートの法則が成立する場合があることが実証されている。
「誰が買っているか」という視点から、ヘッドとテールの最適バランスを
企業の売上高が客数×客単価で構成される以上、売り上げの増大には客数や客単価のアップが不可欠だ。品揃えの拡大が、客単価アップだけでなく新規顧客獲得の可能性を高めることは当然だろう。しかし、品揃えの拡大に伴い、売り場づくりやプロモーションのコストもしくは労力は増大する。
確かに、ネットでは、リアルの店舗やカタログ通販に比べて品揃えを低コストで実現することができる。しかし、品揃えの拡大に当たっては、仕入れ面、在庫・物流面の工夫により、リスクを回避することも必要だ。ネット創始期においては、こうした部分をなおざりにしたことで、経営破綻に追い込まれた企業も少なくない。今回取材した企業については、ケンコーコムがサプライヤーに隣接した場所に倉庫を置くことでクイックデリバリーを実現。久米繊維工業は、メーカーである強みを生かして受注生産方式のオーダーTシャツを提案している。また、文化放送の落語音源のように、デリバリーまでをインターネットで行うデジタルコンテンツは、そもそも在庫・物流面の制約が少ないことから、ロングテール型のビジネスモデルに最適な商材と言える。
プロモーションの観点から見ると、ロングテール型のビジネスにおいては、豊富な品揃えを活かしたサイト集客施策が求められる。たとえば、商品名などによる検索を前提とした検索エンジンマーケティングがそれだ。このほか、今回は残念ながら取材協力が得られなかったアマゾンにおけるリコメンデーションも、豊富な品揃えがあってこそのプロモーション手法と言えるだろう。
現在、ロングテール型のビジネスを展開している企業の中には、顧客分析が後手に回っているところも少なくないが、インタビューにご協力いただいた筑波大学講師の水野誠氏が指摘されるように、CRMの観点から品揃えを検証することも忘れてはならない。本誌2006年10月号において、(株)ソフト・アンド・ロジック代表取締役の水沼靖氏が、あるカタログ通販におけるABC分析の結果から指摘しているように、ニッチ商材を購入している顧客が優良顧客であることもある。優良顧客との関係維持の目的で、ニッチ商材をとらえ直すことが必要なのだ。インタビュー時に水野氏も述べているように、「何が売れているか」だけでなく、「誰が買っているか」という眼で、ヘッド部分とテール部分の品揃えのバランスを考えることが大切だと言えそうだ。
購入者のセグメント
単純に購入者といっても、さまざまなフェーズの購入者がいる。読者もおそらく体感されているように、いつも買うお店と初めて買うお店では、安心感や接客なども変わると思う。Eコマースの場合、顧客と顔を合わせることがないため、アクセスログを見ただけでは、常連客も、一見さんも、一人という購入者としか解釈されない。しかし、常連客や一見さんなど、顧客のフェーズによった対応がWebでできないかというと、けっしてそうではない。むしろ得意分野となる。
訪れるさまざまな顧客に対し、適切な対応をしなければならないわけだが、「さまざまな顧客」をどのようにセグメントするかが問題となる。販売しているモノや業界、会社によってセグメント方法は異なるが、どんな世界でも共通で使えるセグメント方法を紹介したいと思う。前回も記載したが、購入者を大きく3つのフェーズに分けて考えてみよう。
(1)新規購入者 …購入が初めての顧客
(2)既存購入者 …1年以内に購入経験がある顧客
(3)休眠購入者 …過去に購入経験はあるが、1年以上取引のない顧客
購入顧客をフェーズに分けることで、購入者をどのように増やしていくかを整理することができる。もちろん、One to Oneを実現するために、顧客の購入履歴や訪問ページ、性別、年齢などでセグメントする方法もある。しかし経験上、いきなりやるには難しく、結局何をやっているか成果が見えなくなってしまうと思う。最初は先に述べた基本的な3つ程度の切り口で検証してみるのがよいだろう。
新規購入者とは?
今回は3つに分けた購入者のうち、新規購入者について解説していこう。新規購入者とは初めての取引となるので、購入に至るまでのハードルが高い。新規顧客と継続顧客とを比べる場合、お店に訪れる顧客の数に対する購入顧客数の割合(コンバージョン率)が新規顧客のほうが圧倒的に低くなる。これは、多くのサービスで同じことがいえる。それほど、新規購入者の獲得は難しいのである。
どのようなお店であっても最初はみな新規購入者ばかりである。もちろん、新規購入者を増やすことも非常に大事なことであるが、一度買っていただいた方にも引き続き買ってもらえるような施策を繰り出すことで、全体の購入者を伸ばしていくことも重要である。
新規購入者を獲得するための施策
Webを用いて新規購入者を獲得するためにはどのようにすればいいのか? 昨今、多種多様な企業がWebを使って効果的なプロモーションを行っているが、ほとんどの場合は新規顧客をどのように獲得するかといった部分になると思う。ひとこと言っておくと、Webマーケティングは地道な世界である。派手なプロモーションを仕掛けて一時的にアクセスが増えても、かけたコストに見合う成果は得られない。
具体的にEコマースサイトの新規顧客獲得施策を挙げてみよう。
1. SEO
これはEコマースを立ち上げるのであれば必ず行いたい施策であるが、それなりの規模を持ったものでなければコストに合わないことに注意したい。もちろん自分でSEOの知識があってできるのであれば話は別だが、大半の場合はパートナー企業に協力してもらう必要がある。小規模のEコマースサイトだと、SEOで連れてこれる人の数も限られるために、かけたコストに見合うパフォーマンスを出せない。逆に大きければ大きいほど、コスト対効果は良くなる一方である。
たとえば、商品点数10点で10ページのEコマースサイトと、10万点10万ページのものとでは、SEO経由で入ってくる顧客の数が違う。これは間口の問題である。ページが多ければ多いほど、入り口も多いからだ。多くの場合、SEO対策は商品詳細ページなどのテンプレートに仕込んでいるので、10ページであろうと、10万ページであろうと、行う施策コストは成果ほどに差が出ないのが現実である。