上質のファミリー 引越
食品卸Cは、日用雑貨卸Dおよび菓子卸Eと共同出資で新会社を設立し、3分野の商品を同一トラックに積み合わせて一括配送するシステムを構築した。
このようなロジスティクスにおける革新は、コンピュータや高度なデータ通信が安く利用できるようになったために実現できたものが多い。
商品を単品で管理することは、POS端末およびコンピュータネットワークがあってはじめて実現したものであり、メーカー、卸、小売の販売・生産情報の共有もコンピュータと高速通信網なしでは考えられない。
このような新しいロジスティクスシステムを構築した企業は、コスト削減に成功し、新たなビジネスも開拓してきた。
さらに、消費者にとっては、欲しい商品をいつでも買うことができるようになり、サービスのliL1上につながる。
このように、ビジネスロジスティクスの革新は、企業および消費者に大きな便益をもたらした反面、都市部における交通渋滞を激化させ、大気汚染や騒音などの交通環境を悪化させる一つの原因になっている。
もちろん、ビジネスロジスティクスの革新のなかには、輸送の共同化などを含むものもあり、この場合は、交通渋滞の緩和や交通環境の改善にも役立っている。
一般的には、都市部交通渋滞の緩和や交通環境の改善を考慮したシティロジスティクスの革新は、まだ実行されていないのが現状である。
ビジネスロジスティクスの効率化が交通渋滞の激化や交通環境の悪化を引き起こすことがある。
たとえば、配送拠点を集約化すると、トラックによる配送距離が増大する場合がある。
また、ジヤストインタイム輸送を実行するために、多頻度小口輸送が増えると、トラック交通が増大し、交通混雑を引き起こし、環境を悪化させることになる。
このようなことは、本当の意味での理想的なシティロジスティクスの効率化が実現していないことによる、過渡的な現象であるとみることもできる。
都市部における交通渋滞が激化し、大気中のNO2(二酸化窒素)濃度が環境基準を上回る地点が依然として多数存在する現状を考えると、公共側からの環境改善のための政策が必要になると考えられる。
上述のようなビジネスロジスティクスの負の影響をできるだけ少なくして、交通渋滞、交通環境、省エネルギーなどを考慮したロジスティクスとして、シティロジスティクスが提案されている。
似たような意味をもつ用語として、グリーンロジステイクスも用いられているが、グリーンロジステイクスは、環境面を特に強調したロジスティクスである。
いずれの考え方を採るにしても、ロジスティクスにおいて重要なことは個々の要素の局部的な効率化を図るのではなく、全体システムとして最適なものにしようという戦略的意図が働いていることである。
また、物のみではなく、サービスや情報も統合してマネジメントしようとするところにも特徴がある。
ここで、本書で用いる「物流」という用語について述べる。
JIS(日本工業規格)に1985年に登録されているように、物流とは、「物資を供給者から需要者へ物理的に移動する過程の活動をいい、一般的には、輸送、保管、荷役、包装など、およびそれにともなう情報の諸活動からなる」。
この物流の意味するところは、流通における物資の物理的移動を表す物的流通である。
物的流通に対して、商取引の情報の流れを商流とよんでいる。
物流は、交通における人の流れに対する物の流れを表す物資流動を意味している。
物流という用語の用い方が2通りあったので、混乱がみられたが、現在では、物流よりもさらに包括的な概念であるロジスティクスが一般的に用いられるようになってきた。
したがって、本書においては、「物流とは、ロジスティクスのなかの一つの要素である物の流れおよび保管に関する活動であり、輸送・保管・荷役・包装・流通加工・貨物の移動に関する情報処理などを含む」と定義する。
ロジスティクス時代の新しい物流の定義であるといえる。
この定義による物流は、商流に対する物的流通という意味も含んでおり、また、交通における人の流れに対する物資流動の意味も含んでいる。
つまり、物を運んで、保管することを意味する「物流」は、発注や受注の情報の流れと異なるという側面をもつと同時に、交通においては、人間の旅行とは異なるという側面をもっている。
重要なことは、ロジスティクスの視点からみると、物流は調達・生産・流通・販売・消費・ゴミの回収という過程における商品の流れおよび保管のことをさしており、その企業全体の収益の最大化に貢献すべき一つの構成要素であるということである。
シティロジスティクスがどのようなものであるかについて、1999年7月にオーストラリアのケアンズにおいて開催された第1回シティロジスティクスに関する国際会議において、次のような定義を与えている。
渋滞・エネルギー消費を考慮しながら、都市部における民間企業のロジステイの定義において重要な点は、経済的な効率のみではなく、交通環境・交通渋滞・エネルギー消費を考慮しながら、全体としてロジスティクス活動を最適化しようとする点である。
また「市場経済の枠組みのなかで」と、条件をつけているのは、公共側からの規制が過度に強化されて、自由な民間企業のロジスティクスおよび輸送活動が衰退することがないようにという意図で挿入されたものである。
この定義において、交通環境・交通渋滞・エネルギー消費を考慮するということは、たとえば、都市のある地区へのトラックの流入に関する時間規制あるいは車種規制、Nの排出や騒音に関する自動車単体に対する環境規制、物流ターミナルが立地できる場所に関する土地利用規制などを公共側が実施することを含む。
また、企業側で自主的に交通環境・交通渋滞・エネルギー消費を考慮して、トラックの使用台数を削減することなども含まれる。
シティロジスティクスは、交通環境・交通渋滞・エネルギー消費を考慮するという点において、ビジネスロジスティクスとは異なっている。
また、シティロジスティクスは、主として都市内におけるロジスティクスを扱っており、都市間のロジスティクスとは異なっている。
もちろん都市内と都市間のロジスティクスのつながりは、つねに考えるべきである。
ここで都市内のロジスティクスに焦点をあてる理由は都市内のほうが都市間に比べて交通環境・交通渋滞・エネルギー消費について、問題が多いためである。
荷主は、物流事業者の顧客であり、貨物を他者に送ったり、他者から受け取ったりする。
荷主は、一般に、物流に関するコスト・集配の時間輸送信頼する。
物流事業者は、自らの利益を最大にするために、貨物集配のコストを最小化しようとする。
荷主から時間指定などのサービスの質を確保することが求められており、コスト削減は容易ではない。
たとえば、1995年に実施された京阪神都市圏物資流動調査によると、京阪神地域の事業者の貨物集配において、重量ベースで7.5%が特定時刻指定、30.6%が時間帯指定であった。
都市内では交通混雑が激しいので、集配トラックは、このような時刻指定を守るために、デポを早めに出発し、顧客の所に早く到着した場合には、顧客の位置の近くで指定時刻まで待たなければならないことが多くなる。
消費者は、物価ができるだけ安くなることを望んでいる。
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